前回エントリーの続きです。しかし今更ながらに、大層なトピック名だなぁパートナーシップ戦略って。専門家じゃないんだから、もうちょっとかみ砕けた小市民的なタイトルが良かったかも…とか思い始めてますごめんなさい。
さて、ここまで中韓朝へのすり寄り的外交の危険性について述べてきましたが、従って日本が健康的な外交を行うためにはまず、この三国と穏やかに距離を取る必要があると思われます。もちろん地理的なものではなく、心理的に政策的に経済的ににです。地図上の距離はどうやってもこれ以上離れられませんしね。だいたい、近いなら近いなりにもっと外交メリットがあればこんなこと考えないで済むんだけどなぁ。デメリットがあまりに大きすぎて話にならない。それにしても現状、アジアで近い所から三つがとことんアレな国だってのがどうにも…だからまぁ、これは大前提です。仮にも『アジアの発展』を目指し、それを主導する立場になりたいのならば、阻害要因を減らし、延ばすべき所を効果的に延ばしていく努力が必要なのではないでしょうか。自らをトラブル要因のど真ん中に飛び込ませるなど、それこそ勘違いの最たる物。まずはメリット>デメリットであることを適切に判断することが必要となるでしょう。
さて、中韓朝から距離を置いたとして、その代替としてどんな国々に目を向けたら良いのか。心理的には個々人の思惑やスタイルがあるでしょうし、政策的には一般人としてどうにもならん部分とかありましてやりようが難しいですので、今回は経済的な部分を考えていきたいと思います。調べやすいですし(ぉ
ところで、どうも世間一般には日本のライバルというとなぜか中国か韓国、と言うことになっているようです。が、まずはここがおかしいだろうと思われる部分で。ほとんど妄言と言っても良いでしょう。確かに国民総所得で見ると、日本が4兆5741億6400万0000米ドル(2001)に対して、アジア内に対抗馬を探した場合、中国の1兆1309億8400万0000米ドル(2001)、韓国の4476億9750万0000米ドル(2001)と言う数値が目に付きます。しかしながら、これを一人当たりの所得(GNI/人)で見たとき、日本の3万5990米ドル(2001)に対して中国の890米ドル(2001)、韓国も9400米ドル(2001)と、著しく見劣りする数値になります。韓国でさえアジア中位、中国に至っては下位と言っても良い位置にまで転落してしまうのです。この両国は長年に渡って日本からの莫大なODA援助を、加えて諸外国から巨額の経済援助を受け取ってきたにもかかわらず(2001年末時点の外債:中国が1701億米ドル、韓国は1101億米ドル、共に世界のトップ10にランキングされています)
これに対し、他のアジア各国の状況はどうなのかと言うと…一人当たりの所得で見たとき、上位グループではUAEが1万8060米ドル(1998)、マカオが1万4580米ドル(2000)、台湾が1万3350米ドル(1999)、シンガポールが2万4740米ドル(2000)、ブルネイが1万5055米ドル(2000)と言った具合。我ながらこの部分、レトリックを用いてるような気がしないでもないですが、要するに「ヒューマンパワー」「人的資産」としてアジアを見たとき、中国や韓国は特に魅力的とは言えないと言うことを理解していただければ良し。言い方を変えると、人材が頭打ちになっている、って感じですかね。生産性の中庸な人材、低質な人材ばかりを豊富に抱えこんだ国家、と言い換えることもできます。経済活動のために投入した資金と、そこから得る利益との比率が、日本の世間一般で言われているほど高くないことを認識していただきたい。
コレに加えて、この両国は経済面で世界的な、それも致命的な欠陥を抱えている点も問題です。それは何かと言えば。『パクリ』が国家的な巨大産業になっていることです。知的財産から既得権、特許、著作権、その他諸々微細詳細に至るまで、その侵害の浸透具合は凄まじいの一言。ちなみに中国は『パクリ』撲滅に国家プロジェクトとして取り組み始めており、もう一方が放置状態になっていることを考えれば、現在の深刻度合いの状況は韓国>中国と言って良いようです。まぁ、規模の問題もありますからどっちもどっちなんですけどね。当然のように国際問題になっているのですが、最大の被害国である日本ではなぜか報道が控えめで、研究報告も少なく、協議の方向性もあまり見えてきません。情勢を余り知らない企業(その時点で研究不足、自業自得とも言えるのかも知れませんが)が飛び込んでいって実利を上げることができるほどの『美味しい市場神話』なんてシロモノは、存在しないのです。こんな状況でありながら、韓国では物価が上昇傾向にありますしね。この文章読み直してみると良い所ほとんどないじゃないか;;
と言うわけで、現実的には真の『中国・韓国のライバル』とも言える国をアジア内で探してみるのが一番簡単そう。これはもちろん、日本がパートナーシップを目指す相手国、と言う意味合いに置いてです。ついでにメリット値、デメリット値比較もしてみるとさらに解りやすいんじゃないかなーとか素人思考してみます。
まずはアジア第二の中国はどこか、について。これは比較的簡単。ずばり「インド」です。人口10億4864万人(2002)は中国に次いで世界第二位、面積329万平方キロは中国に次いでアジア第二位と、まさに第二の中国と呼ぶにふさわしい国家規模。
この国のデメリット値は、悪名高きカースト制度ですね。独立後、憲法に明記されたカースト廃止条項によって一応廃止されたことになっていますが、そこはヒンドゥー教徒の人口が80%を占める国でありますからして、制度的には禁止されても宗教的に禁止できてない所がアレでソレ。もう一つは、カシミール紛争に代表されるように、パキスタン軍事グループとの緊張状態が続いていること。こちらはインド・ヒンドゥー政権とパキスタン・イスラム政権との間にある宗教対立の縮図とも言えますね。国家的には安定しているのですが宗教的な不安定要素を抱えたインドと、他文化侵略体質な中国…国際的なデメリット値比較は微妙な争いって気もします。しかし日本との摩擦という意味で考えれば、中国が大きくリードしている事は確実。
次にメリット値。労働力の7割弱は農業従事者で、その生産力は増加の一途を辿っています。これは大土地所有制の恩恵ですが、一方で人口増加に拍車を掛け、下層階級の生活を苦しめる一因ともなりました。工業は近年まで国営中心ながら『繊維産業から人工衛星まで』を地で行く感じで、技術的には発展していたのですが、残念ながら輸出が振るわず。しかし90年代に入ってラオ政権になってからは、規制緩和・競争原理導入など自由化政策路線に入り急成長を遂げます。現在は情報産業が世界レベル。米国防総省の依頼で米カーネギーメロン大学ソフトウエア工学研究所(SEI)が作成したソフト開発の能力成熟度を測定する品質基準(CMM)で、CMMレベル5(最高レベル)を達成できる企業は世界に95社(2002)あり、その内インドに65社が存在する(2002)と言う驚くべきIT技術力です。日本でも現在はレベル5を達成した企業がずいぶんと出てきましたが、2002年当時は日本IBM1社のみだったことを考えるに、インドIT企業群のすさまじさが際だちますね(ただし、それがさらに上層階級と下層階級の所得格差、差別意識という問題を醸造していることもまた事実)。
さらにインドには中国にはない大きな強みがいくつかあります。まずは特許・著作権侵害率。今のところどちらも高いことは高いのですが、同程度の人口規模であり、発展度では中国に一歩譲るながらも中国と違い情報統制のない国であるインドにおいて、その侵害率が中国よりも20%近く低いと言うのは驚異的。そして英語が公用語として使用されていると言う文化的なメリットです。人材交流もやりやすいですし、契約も交わしやすい。この二点だけでもかなり強力だと思われます。
このように、「市場開拓」と言うフロンティア視点で見ると、この国はまさに今が旬という感じなのではないかなぁと。インドIT産業の輸出額も、現在は欧米中心ですしね。本格的な日本進出が訪れる前に、『技術提携』と言う名のパテント獲得を目指すのが美味しそうだと思うのは素人考え過ぎますか、そうですか。って言うか既に論じるには遅すぎる?
さて、それでは次に、第二の韓国はどこかについて。文化的な背景まで差し込むともの凄い文章量になりそうなので割愛します。そうでなくてもヤバそうなので…
経済的に見たとき、このレベルの中途開発国は候補が多すぎて絞り込みにくいですが、実際のところ、韓国なんかよりも台湾とかシンガポール辺りの方が多少コストは高くともずっと良い関係を築けそうだし、政治的な摩擦も少ないでしょうね。現に企業提携の主流は韓国から他の国々にシフトし始めているワケで、現在日系企業の引き上げは第一段階に入っている模様。しかしながらそれを上回る数の企業が新たに進出していて、全体的にはプラス傾向にあるようです。ちなみにこれは中国も同様で、公表されているところでは一日当たり11社が新規進出、4社が撤退する、と言う割合で新陳代謝が繰り返されているらしいです。外資参入は規模から言って中国>韓国ですから、一回り小さい割合で韓国でも新陳代謝が起こっているハズ。…なのですが、実は技術提携はそこそこ大規模な企業数が絡んでいますけれど、韓国に直接進出している日系企業の数ってそれほどでもないんですよね。日本以外の外資参入についても同様の傾向。
これにはちゃんと理由があります。日本から韓国への投資は1985年辺りから増加し、1989年までは順調な成長を遂げていました。これに伴い、韓国の対日赤字も1989年までは減少傾向でした。そして事件は起こります。その筋では非常に有名な「大沢プレス事件」と「韓国スミダ電気事件」がソレです。
#「大沢プレス事件」は、1988年、韓国企業にプレス機械を納入していた大沢プレスの社長が、使用注意事項を無視して機器を壊した現地企業より言いがかり的なクレームを受け、よりによって日本大使館の公用車に乗っている所を襲撃されて、一ヶ月以上も拉致監禁されたと言う事件。社長は結局、5000万円の補償金と、大統領側近など政府筋に2000万円もの裏金を支払う事で開放されました。
#「韓国スミダ電機事件」は1987〜89年に起こったもので、87年に結成された労組が北朝鮮支持系の過激派に扇動されて労使紛争を頻発させ、まずは賃金の高騰(約二倍)を計ると、就業時間中に労働運動・その時間分の賃金要求、労組幹部(会社外の人間)への支払い要求、2交代3交代制を拒否し、ラインシフトにも反発、トイレ・水盤に長蛇の列を作って怠慢労働を計り、労組の人間が何百人も会社に入り込んで泊まり込み、さらには日本人代表理事を会社から締め出しました。ここまででも既にトンデモ状態ですが、労組の思い上がりは続きます。事態にたまりかねた幹部陣が「大沢プレス事件」を念頭に身の安全を図って日本へ脱出し、89年10月にFAXによる韓国人労働者の解雇通知を発します。労組側は解雇を認めず工場を占拠したうえで代表を日本に送り込み、日本の労働団体と連携して「韓国人労働者を過酷な労働をさせながら、給与を支払わずに逃げ出した」と吹いて回ります。これはテレ朝やNHKなどで報道され、経緯を説明しないまま「企業側にも責任がある」と言った論調で世間に知れ渡った模様。世論も敵に回り、社長自宅前で連日抗議行動を行われたスミダ側は、たまりかねて要求額を満額払い引き取って貰ったと言う話。しかも配当金を全て資本金として再投資していたらしく、赤字だけが手元に残りました。
このように1988〜89年に相次いで起こった、国際的にはあり得ないような労使紛争事例が問題となって、韓国に進出していた数多くの企業が撤退しました。つまり、韓国市場は外資からの信用を一度失っているのです。その後膨大な対外赤字を抱え込み続けた結果、1997年には通貨危機からIMFの統制下に入り、信用はどん底に。一度失った信用は当然、なかなか回復しないものです。金大中政権下でせっかく復興したように見えた経済もバブル崩壊を起こして数年で更地に。その上、盧武鉉現政権になってから再び労使熱が再燃した模様で、何ヶ月も違法ストを起こしたあげく、労組代表が海外の本社まで乗り込んで遠征デモを繰り返しているらしいです。ここまで行くともはや呆れて言及するのもアホらしくなってきます。現在も外資の直接投入などほとんどなく、従って技術の移転など起こりようもないワケで…今の韓国は、数年前までの「IT先進国」という言葉ばかりの砂上の楼閣と、2004年に行われた第4次日本文化開放による対日輸出入額増加を土台にした「韓流ブーム」と言う捏造メッキによって、辛うじて雨風を凌いでいる路上生活者みたいなもの。ちなみに、韓国で活動している外国企業の最高経営者(CEO)の10人に7人は、対韓投資を検討している外国企業に、「対韓投資を再考するようにアドバイスする」という考えていたらしいです(2003)。つまり、2003年時点ですでに10社に7社は撤退を考えていたと言うことです。韓国経済事情の悪化を考慮すると、この傾向はさらに進んでいると考えて良いでしょう。かすかな希望の光は現代(Hyundai)と三星(Samsung)の二大企業グループに掛かっていると言っても過言ではありません。しかしながらこの二社、世界的な「安かろう悪かろう」が有名すぎて、初回購入者の二度目の需要が生まれません。Samsungなどは公表されている純利益等はとてつもない事になっていますが、実のところ収支を調べても売上、借入金が不透明で実態がまったく掴めないそうで、粉飾決済でもしているのではないかとその筋で噂が広がっている模様。近年立て続けに特許関連の訴訟で追い込まれており、「世界第二位の半導体メーカー」と言う装飾が剥がれ落ちる日も近いのかもしれません。そして本日付けで、こんなニュースも飛び込んできました→サムスン、独禁法違反で罰金3億ドル
えっと。半ば終わりましたね、Samsung。これに伴い、韓国市場への嫌気が広まるでしょうし、外資の引き上げが加速すること間違いなし。撤退するならお早めに…
えー、こんな感じですので、韓国に乗り込んで「成功するぞ!」と意気込む熱意の十分の一くらいを使えば、それ以外のアジア各国に進出しても充分成功出来るんじゃないのかしら。
しかしここまで来てふと気付いたのですが、どの国とパートナーシップを結んだら良いかを論じるハズだったのに、いつのまにか違うことを書き連ねてしまっているワケで…一応インドについては書きましたけれども。アレですね、目の前に大きな火もとがあると、周りが見えなくなってしまうと言う典型的な例かもしれない、このエントリー。おかしいなぁ、台湾もシンガポールもマカオもUAEも「ここが凄いんだぜ!」って言うところをいっぱい、「ここはダメなんだよなぁ」って所をちょこっとだけ書く予定だったのに…まぁ、良いでしょう。言いたいことは書けた気がしますし。
話題は変わりますけれども。今現在インド株の投資で検索すると、例の楽天市場がスポンサートップに来ますね。こっちのTBS株買収も気になる話題だなぁ。どうなるのか推移を注目したい感じですが、プロ野球参入の時と構図が一緒なんで、livedoor→楽天→SBの三段攻勢でメディア参入って言う筋書きなのかなぁとか思ってみたりもします。
それにしても、二回続けてもの凄い文章量だ…もうちょっとまとめる才能が欲しい。
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